デイジー (花好みP)
苗代 鈴菊(なえしろ すずひ)とは、主にVOCALOID「遷音 ベル」でDTM楽曲を製作する動画投稿者である。投稿者名はデイジー。
プロフィールは非公開だが、ファンの間では若い女性とされている。
▣ 概要
デイジーは日本のボカロPであり、作曲家、イラストレーターとして活躍している。投稿される楽曲は、ジャズやクラシックの要素を取り入れた複雑な和音進行と、オルゴールのような儚げな音色が特徴で、どの作品にも温かみと人間味を感じさせる。それだけでなく、詩的で深みのある歌詞が、聴き手の心に強く響く。また、「遷音 ベル」の声に人間の感情を投影し、その歌唱力を駆使して多様な感情を表現するのが得意であるため、ファンの間で「叫音 ヘル」という愛称も生まれた。
デイジーは2012年にデビュー曲「ハービンジャー」を公開し、たった1週間で1万再生を達成するという注目のスタートを切った。その後も、彼女は「ノーザンライト」や「ヒースランド」、「イグニッション」といった楽曲を次々と発表し、2013年に投稿した「デイジー ベル」では公開1週間で10万再生を突破し、ボカロ殿堂入りを果たしている。この急成長により、ボカロシーンの新たな才能として一躍脚光を浴びた。
デイジーは、楽曲のタイトルに誕生花や四季を連想させる名前を使用することが多く、ファンからは「花暦」から連想して「花好みP」と愛称されるようになった。楽曲のテーマとしても自然や花、季節の移ろいを表現することが多く、これらの要素が作品全体の一貫性を高め、聴く者に強い印象を与えている。彼女のプロフィールは公には明かされていないが、SNS上での発言から、女子高生として活動していると推測されており、彼女の若さと感性が作品に反映されていることがファンにとっての魅力でもある。
動画形式の特徴として、イラストの制作から動画編集まで自身で手掛けている点が挙げられる。「遷音 ベル」のキャラクターをデフォルメしたオリジナルのMVイラストを作成し、視覚面でも独自の世界観を表現している。そのビジュアルと音楽が相まって、作品に一貫性と深みをもたらし、視聴者の共感を呼び起こす。
投稿される動画は新規楽曲のみで一貫しており、詳しいプロフィールは不明。Twitterアカウント上では日常的な投稿もあるが、楽曲の完成度と対照的に天然でネット文化に不慣れな印象の投稿が多い。投稿に添付されていた部屋の画像(現在は削除済み)の雰囲気から女性。画像に写りこんだ教科書の発行年から、2013年時点で高校生と推測されている。
▣ 活動記録と主な作品
日付 | 作品名 | 内容 |
---|---|---|
2012年3月13日 | ハービンジャー | デビュー。公開後1週間で1万再生を達成し、注目を浴びる。 |
2012年6月21日 | ノーザンライト | ジャズの影響が垣間見えるメロディーが好評を博す。 |
2012年8月5日 | ヒースランド | 孤独と強さを思わせる情緒的な楽曲として評価を得る。 |
2012年10月15日 | イグニッション | 輝いて消えるような心情の移り変わりを唄った歌詞がファンの心を掴む。 |
2013年1月23日 | ミニチュアガーデン | 箱庭に咲く花をテーマにした幻想的なメロディーが特徴。 |
2013年3月6日 | デイジー ベル | 公開1週間で10万再生を突破し、初のボカロ殿堂入りを果たす。この作品を通じて、デイジーは一躍ボカロシーンでの注目を集めた。 |
▣ 音楽性と影響
デイジーの音楽は独学で学んだジャズのテイストや、儚さと力強さが同居する独特のサウンドが特徴であり、聴き手の感情に訴えかける。また、誕生花や季節感をテーマにした楽曲タイトルや歌詞の世界観は、ボカロファンに強い印象を与え、彼女の人気を後押ししている。デイジーは楽曲に込めるエモーショナルな要素を通じてリスナーと共感を呼び起こし、ファンからは「花暦」から連想して「花好みP」と呼称されている。
さらに、デイジーはMVにもこだわりを持ち、自作のイラストを用いた映像表現を行っている。「遷音 ベル」のデフォルメキャラクターを通じて、楽曲にビジュアルの統一感を与え、音楽と映像が一体となった体験を提供している。このような活動が彼女のアーティストとしての独自性を強調し、ボカロシーンに新たな風を吹き込んでいる。
▣ 「デイジーベル」の歌詞
[0:13]
デイジー デイジー 教えてくれよ
もう君の答えを 聞けないなんて
ぼくは狂ってしまうよ
君は居るんだ ぼくの心に
[0:27]
デイジーベル ぼくが歌うのは
デイジーベル 忘れたくないから
デイジーベル 残響でもよかった
のどが枯れても 歌い続けてよ(デイジーデイジー)
[0:48]
ベルが鳴って 花が散って
君がいなくなっても
心の中で 君は笑って
この夢が終わらないように
[1:07]
デイジーベル ぼくが歌うのは
デイジーベル 忘れらないから
デイジーベル 残響でもいいなら
のどが枯れても 歌い続けるわ
[1:35]
記憶に刻む 君の声が
空に響く メロディになり
いつかは消える 雲のように
それでも歌う デイジーデイジー
[1:50]
デイジーベル ぼくが歌うのは
デイジーベル 覚えているから
デイジーベル 残響だって美しく
のどが枯れても 歌い続けてる(デイジーベル)
[2:25] デイジーベル 空にベルを鳴らせーー
▣ 叫音 ヘル
デイジーの楽曲を視聴したファンの間で呼称される、「遷音 ベル」の派生キャラクター。力強く、倍音の乗った人間的な発声が特徴。「ヘル」と名前についているが、デスボイスを出したことは今のところない。
容姿は黄色い瞳に、ヘアインテークと長いツインドリルが特徴で、紫髪ベースで右は赤、左は青のメッシュが入った髪色。ファンアートでは通常の「遷音 ベル」と比べ、口を大きく開けた元気な表情の物が多い。